東京高等裁判所 昭和37年(ラ)339号 決定
競売法第三二条で準用される民事訴訟法第六八七条第三項の不動産引渡命令は競落人の申立に基いて競落不動産に対する債務者の占有をといてこれを競落人に引渡すべきことを執行吏に命じたものにすぎないのであるからその性質は強制執行の方法に外ならないものというべきである。そして本件記録によると原裁判所は本件引渡命令を発するに当り抗告人を審尋していないことが明らかであるから、かゝる場合右引渡命令に不服のある者は先ず民事訴訟法第五四四条に則り原裁判所に対し異議の申立をなしその裁判に対し同法第五五八条により即時抗告をなすべきものであつて、引渡命令に対し直接即時抗告することは許されないものと解すべきである。
(鈴木禎 川添 花渕)